2019.9.28 大阪ダービーアウェイ●(3-1)②【攻撃編】3つの攻略手段

戦術分析

大阪ダービー編続きます!

次は「ガンバの攻撃には何が必要だったか?」を考えます。

これはツイートしてた内容のとおりですが、改めて書き出します。

①相手が帰陣する前にカウンター
②相手最終ラインの裏抜け→ブロックを通り越すロングフィード
③流動的にポジションチェンジを繰り返しスペースを生み出す

簡単にまとめると以上3つです。細かいこと書き出すと切りがないので要点を絞りました。ここらへんのことって、きっと試合を観戦していた方なら漠然と感じているんじゃないでしょうか。それこそがガンバに足りない部分であり、相手攻略の鍵です。気持ちを言葉にしてみます(そんなことおもてへんわ!って方がいたらすみません)。

「ガンバの攻撃、全然迫力ないな~遅いわ~」⇒POINT①

「なんか攻撃に変化ないな。ファン・ウィジョおったらもうちょいちゃうねんけどなー。」⇒POINT②

「ちんたらパス回してるだけやし、結局詰まってボール取られるだけやん!」⇒POINT③

ってな具合です。順番に解説していきます。

 

①相手が帰陣する前にカウンター

これはわかりやすいですよね。奪ったら素早くタテに仕掛ける!のがカウンターです。しかし最近のガンバ、前半からカウンターする気ありません。というかボールロストを恐れてセーフティ、セーフティに行ってます。結果迫力のない攻撃に映るわけです。そこらへんのネガティブな内容は後回しにして、先にポイント①のヒントとなるシーンを取り上げながら解説します!(※あくまでヒントです。ガンバが狙ったわけではないし、選手間の共通理解もありません。)

前回のスサエタ編でも触れたように、セレッソの守備陣は非常にコンパクトでした。これを攻略する手段の1つ目がカウンターです。正確にいうと、相手の「2ライン間(DFラインとMFラインの間のスペース)や相手サイドの選手が上がったスペースを素早く利用し、そのスペースが縮まる(あるいは埋まる)前に反撃すること」です。つまり、セレッソがコンパクトな守備陣形に戻る前に間延びしている部分を突きましょうってこと。間延び部分を極端に嫌ったこそ、あんなにもコンパクトな守備陣形を敷いたのです。相手の嫌がることをしないといけません。

・高尾右サイドでボールカット→井手口→スサエタに展開(前半34:03~)

GKキムジンヒョンから相手左SH柿谷にロングスローを入れて展開しようとした場面。当然相手は攻めに転じるため各選手上がってきます。しかし柿谷が収められず高尾がカット、素早く井手口→フリーのスサエタへボールが渡ります。このとき同じ位置に左SB丸橋も上がってきていました。ということはどうなるか?相手陣側に目を移しましょう。

有効なスペースが4つも生まれています。それぞれのスペースに対し、各選手は以下のように活用できます。

スペース1:相手左サイドが空けた、スサエタの前に広がる右サイドのスペース。ドリブルで持ち上がることが可能。

スペース2:2ライン間、CBとボランチに囲まれたスペース。千真はここでパスを受けられる。

スペース3:スペース2の裏のスペース。千真が加速すれば裏抜けを狙える。

スペース4:逆サイドの広いスペース。倉田が流れる、あるいは藤春が駆け上がることができる。

この場面、スサエタはすぐさまスペース2の千真へ鋭いパス、千真は後ろの井手口に落とす、井手口ミドルシュート!で終わるのですが、現地で観てた僕は頭を抱えました。なんてもったいない!可能性低い!と。今こうして振り返るとなおさらです。こんなにもスペースと選択肢があったのですから。さらに図解します。

例1:スペース1の活用

右サイドを駆け上がってきたスサエタに返し、そのままスペース1を活用する方法です。ここからクロスで千真、宇佐美、倉田に入れることができますし、井手口が上がってくればよりゴールに近い位置でシュートもできます。さっきのシーンでは実際にこのとおりスサエタは上がってきていたので、彼に出せればビッグチャンスでした。

例2:スペース3の活用(DFラインの裏抜け)

スサエタがスペース1をドリブルで持ち上がり、相手DFの裏であるスペース3を狙う動き。一番ゴールに直結できるパターンかと思います。ポイント②にも繋がる話ですが、こういう動きが全然なかったですね。DFにとっては一番嫌な動きなんですが。

例3:スペース4の活用(サイドチェンジ)

このパターンはチームとして共通理解がなければ実現しないパターンだと思いますし、素早い攻撃に繋げるのは難度が高いですがあえて書きます。逆サイドには広大なスペースがありましたが、倉田がここに入ってきても相手DFは守備ブロックの維持を優先し、詰めてくることはないので、余裕をもってサイドチェンジのボールを受けることができたはずです。中の狭いところに宇佐美と2人いるよりは、空いているスペースを各選手が活用できれば攻撃に広がりが生まれます。宇佐美が流れてもいいですし。またこのシーンでは藤春が上がってきてないんですよね。相手右SHの水沼が下がってきているのにも関わらず。そういう部分から、チームとしてカウンターアタックに繋げる意識が無いことが分かります。

僕は毎試合、宮本監督の試合前コメントに注目しています。何を目指しているのか端的にわかるし、実際試合内容に即しているからです。シーズン当初はよく「速攻と遅攻の使い分け」を口にしていました。簡単にいいかえると「速攻=カウンター」、「遅攻=ポゼッションサッカー」です(ちなみに僕はポゼッションサッカーという言葉が好きではありません。目的と手段をはき違えた和製英語のようだからです。が敢えてここでは使います)。

使い分けできてますか?残念ながらできていません。ここ数試合どころではなく、今シーズン調子が落ちてからずっとです。一昨日の大阪ダービーに限定していうと、やっとそれらしい形が見られたのが後半61:40です。それまで狙ってやってません。取り上げたシーンもたまたまボールカット、スペースがたくさん生まれ、連動すれば有効なカウンターを繰り出せる場面でしたが連動できていません。攻撃が選手任せとよく言われていますが、そのとおりです。監督の試合前コメントでも「ペナルティエリアでの質とか、アイデアとか、創造性が必要」って言ってますからね。本当はそれをデザインするのが監督・コーチの仕事だと思うのですが…。

迅速なブロック構築を図る相手だったからこそ、一瞬のスキを見逃さずカウンターを使い分けてほしかったと思います。自分たちのサッカーを確実に実行できる力が足りていないのは明白。試合中の修正力が無いとJ2降格が見えてきますよ…。

 

②相手最終ラインの裏抜け→ブロックを通り越すロングフィード
これもわかりやすいですね。相手ががっちりブロック固めているなら、それを無視してロングボールを前線に通しちゃおうというわけです。よく縦ポンサッカーと揶揄されますが、有効な手段です。今シーズンはショートパス回しでの崩しが機能していませんが、この縦ポンでは実際何点か奪っています。多いのは遠藤or矢島のボランチ・アンカー起点ですね。要はこれも使い分けです。この試合でおっ!と思ったシーンを紹介します。
・倉田の裏への抜け出しに合わせてヨングォンからのロングフィード(前半42:41~)
右サイドで詰まったので、高尾→三浦→ヨングォンと展開しなおしている場面。ここから多いパターンは藤春に繋げて倉田とコンビネーションか、再度ヨングォンに戻して遠藤に渡して起点にするケース。前者はまだしも後者はちんたらパターンです。しかしここで倉田は変化をつけてきます。
ヨングォンが少しボール持ち上がっている間に倉田が裏に抜ける動きを見せます。それをみていたヨングォンは相手SB松田とCBヨニッチの間にロングフィード!残念ながら黒→のように詰めたヨニッチにクリアされましたが、狙いは良かったです。こういう揺さぶり・駆け引きを倉田だけでなくチームとしてトライし続ければ、相手守備(および意識)に綻びが生じてくるのですが、やっぱりこれも単発なんですよね。前半はこれ一回きりです。
このチャレンジをどの試合でも続けていたのが、さっきの気持ちにも出てきたファン・ウィジョなんです。彼を失ったのはやっぱり大きい…。攻撃のバリエーションが明らかに減りましたよね。ウィジョロスです…。
③流動的にポジションチェンジを繰り返しスペースを生み出す
最後のポイント。実はこれを一番実行してほしい。これには2種類あって、この試合のスサエタのようにかなりの距離を走りピッチを大きく使うケースと、局所的に数選手で実行するケース。特にガンバの目指すサッカーからいうと後者です。しかしこれもできていません。特にこの試合はひどかった。本当ならこれが良かったといって取り上げたいのですが、狙ってできたのは前編のスサエタ・高尾のケースぐらいなんですよね。
逆に、、、言ってしまうと悔しいし反感買うかもしれないですが、それができてたのはセレッソです。敵ながら素晴らしいと思わざるを得ませんでした。悲しい現実です…。
この完敗を今後の糧にしていくために、ここではあえて敵の戦術を分析します。きぃわるいし読みたないわって方は下のライン以下は読み飛ばしてください。

思わず唸らせられた1シーンだけ取り上げます。これだけで充分エッセンスが詰まっているし、これ以上分析するのは悔しいから…。
・ソウザのサイドチェンジ→右サイドでのスペースを活用したボール回し(後半58:24~)
ソウザが右サイドの松田へサイドチェンジしたシーン。ここから生まれるスペースを活用して攻撃が右サイドで展開されます。その連動性にご注目。
松田に藤春が詰めたことで、ヨングォンとの間にスペースが生まれます。チャンネルですね(これだけ空けてしまうガンバ守備陣に問題があります)。そこに奥埜が入ってきますが、アデミウソンが付いてきたためパスは出せません。そのかわりアデミウソンの背後にスペースが生じ、水沼がそこに入ってきます。それに気づき水沼にとんぼ返りして詰めるアデミウソン。奥埜には井手口が対応に行きます。
そうなるとまたまたアデミウソンの背後、井手口との間にスペースが生じます。そこで水沼は右の松田とワンツーでそのスペースに侵入。ワンツーの瞬間、藤春は松田にさらに寄せます。となると次は藤春と井手口の間に、奥埜がボールを受けるスペースがわずかにできる。
水沼はそこにパス。井手口詰める。水沼は井手口の空けた場所に入る。すると今度はどこが空く?
相手ボランチ藤田の前です。藤田にパスが出ると遠藤が詰める。そうすると次はソウザの前にスペースが生じる。藤田はソウザに横パス。ここでソウザが受けてフェイントフェイントで切り替えしてミドルシュート!が枠から逸れて終了。
最後はソウザのエゴでシュートを選択していますが、ここからさらに連動されていると恐ろしかったですね。ソウザの戦術理解度が低くて助かりました。
この一連のシーン、選手の動きとスペースメークが常に連続していることがよくわかります。セレッソの選手は誰かが空けたスペースに必ず別の誰かが入り、別の誰かが空けたスペースにまた別の誰かが入る…。そういった”約束事”を保っているのです。そして恐ろしいのは、松田のパスが始まってから藤田が受けるまで、すべてダイレクトでパスを繋いでいることです(藤田すらも2タッチです)。普段から緻密な練習を積み重ねていることの表れだと思います。
正直、こういうプレーをガンバにはやってほしいんです。選手の創造性や閃きは確かに重要ですし、それが上手くいっている間はいいんですが、選手の調子にも左右されますし、選手が怪我等で欠如した場合に途端にうまくいかなくなります。それでは安定して強いチーム、世代交代しても強いチームにはなれないと思うのです。選手任せではなく、チームとして何をしたいか。今シーズンそこを構築してほしかったのですが来季以降にお預けですね…。なりふり構わず残留を目指さないと…。

いかがでしたでしょうか。他にもいろいろと必要な要素はあると思うですが、表層的に感じられた3点を取り上げてみました。この3点に共通していえるのは「スペースを生み出す」あるいは「スペースを活用する」ことだと思います。つまりガンバの攻撃にはスペースの意識が足りない、あるいは選手個々には意識があったとしても、チームとしてできていないってことが課題です。
ガンバの守備についても言及したかったのですが時間もありませんし、他の方がしっかり解説されているので、そちらを観られる方が早いですし紹介します(無断ですみません)。僕の考えていることもおおよそ同じです。
井上敬介氏のガンバ守備に関する画像ツイート

MILKサッカーアカデミー氏 ファンも多く気づいているガンバが4バックになって起こってしまったこと…
Leo the football氏 ガンバと欧州トップクラブを比較して学ぶ守備の原則と上達への仮説【トークtheフットボール】#1021
ここまで駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
次は金J札幌戦です!僕も応援に行きます!勝利のみを祈って全力で応援しましょう!!

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