2019.11.30 松本戦○(4-1)「継続は力なり」と、メンタルと

戦術分析

ホーム最終戦でした。今季もお疲れさまでした。パナスタがしばらくお預けなことに寂しいitiikiです。これがホームシックか。あっというまにシーズンは過ぎていくものですね。

さて、肝心の試合の方ですが、力の差を見せつけての快勝でした。松本に決定機を作られる場面もいくつかありましたが、それ以上にガンバの個々の選手の能力と、攻撃面の連携・狙いが上回っていました。ここにきて、これまでの積み重ねの成果が出つつあります。「継続は力なり」ですね。

特に、今回は同じフォーメーションを採用するチーム同士の対戦、いわゆるミラーゲームだったので、個々のマッチアップがはっきりしており、どちらに流れが傾いているのか分かりやすい試合でした。それではまずは両チームのスタメンから確認します。

松本は前節のスタメンFW阪野に代えて、怪我から早期復帰を果たしたMF町田を同位置に起用してきました。前半はこの町田にチャンスを作られていましたね。彼が出場していなかった過去3試合と比べて、前線での精度が上がっていました。

対するガンバは4戦連続同じスタメン。倉田が万全でないということもありますが、残留が決まったからといって色々な選手・形を試すほど、土台が固められているわけではないということでしょうか。

さて、今回は前半をメインに、試合の経過とともに各局面に注目する形でレビューしていきます。目次はこちら。

1.狙うは「WB裏」と「アンカー脇」

2.小野瀬を内側に、井手口を右外に

3.中央突破からのサイド攻撃、フィニッシュに詰める井手口

4.前線攻略のトリガー井手口、フィニッシュも井手口

5.後半ざっくり振り返り

後半は大量リードで迎えたこともあり、全体的に強度・集中力が落ちていましたし、体力低下からオープンな展開になっていたので、ざっくりの振り返りにとどめています。ではいきましょう。

1.狙うは「WB裏」と「アンカー脇」

前半1:20、2:29、5:23、5:53、7:03と、立て続けに相手WBの裏を取る動きを見せるガンバ。両チームのWBは対峙する形になるため、ガンバがボールを保持したときにこちらのWBが中盤に位置することで、守→攻の切替時にWBの裏にスペースができます。

このスペースにWBやFWが流れ、後方からのロングパスを引き出してサイドを起点にしようという形。ここからチャンスにならずとも、相手のラインを押し下げることには成功していました。松本は、ハイプレスのボール奪取からショートカウンターを発動さえることが狙いとしてあったので、それを無効化する手段ですね。敵陣の深い位置から攻撃を始められても、正直松本のポゼッションはそれほど怖くないし、ロングカウンターにきても3CBが弾き返せていました。

一旦ポゼッションを選択した場合は、こちらのWBを押し上げるので、相手は一旦撤退するわけですが、その場合は「アンカー脇」から攻略することを意識していました。これまでガンバがよく狙われてきたスペースですね。

アンカー脇のスペースにIH、もしくはFWが入り、パス交換から相手WBとCBの裏を狙う形です。図は一例の7:03のシーン。① ボールホルダーのヨングォンに相手右IHがプレス、② 矢島がアンカー脇のスペースで縦パスを引き出し藤春に展開、さらにアデがパスもらいに流れてくる、③ 藤春・アデのワンツーから、WBとCBの裏を狙う、という流れです。惜しくもクロスは上げきれませんでしたCKを獲得。

そのCKから相手ボールになった後の7:51、オフサイドを狙ったのか?相手FW永井に簡単に最終ラインを取られシュートを打たれるも、ボールはファイ―サイドのポストに弾かれて事なきを得ます。ここが試合の分かれ目でしたね…。現地で一番肝が冷えたシーンです。最初の決定機を決めきるかどうか、そこから展開がガラリと変わります。特に松本のように複数得点を取れないチームは、虎の子の1点を必死で守り来ていたはずです。逆に、現チームの到達点を図るために、先制されてからどのような試合運びができるのか観てみたかった思いはありますが、勝利した試合を振り返っているからこそ、そんなことがいえるんでしょうね。勝つって大事。

逆にガンバは前半10:54、CKの流れから先制します。こぼれ球に反応したヨングォンの落としから、小野瀬がニアにぶち込んでゴール!決定機外した後って、逆に先制決められがちですよね。でもこのシュートはえげつなかった。松本はノーチャンスです。第29節川崎戦の先制ゴール(未遂)もそうでしたが、やはり小野瀬はシュート力もすごいですよね。右WBで使うのは勿体ないですが、次の項目で取り上げるように、最近はより中でプレーする形も見せ始めていますので、モノになれば来季はもっとゴールが期待できるでしょう。

2.小野瀬を内側に、井手口を右外に

そこから少し押し込まれる時間あり、相手の惜しいミドルありでしたが、前半17:41のシーンで、項目名のとおりの形からチャンスを作ります。

流れとしては、①右外に張った井手口に展開、②相手左WBが食いついてきたところで宇佐美に預ける、③空いた左WBの裏に井手口が走り込み、宇佐美からのパスで相手DFラインをブレイク

前節仙台戦から見せ始めたガンバの新しい形です。これにはメリットが2つあります。① 小野瀬のシュート力を生かすため、よりゴールに近い位置でプレーさせることができる、② 相手のマーキング・チェックをかく乱できることです。また、宇佐美が積極的にボールに絡む動きを利用しているのかなとも考えます。ボールサイドに動いてしまって中をよく空けてしまう宇佐美ですが、それならシュート力のある小野瀬を中に入れてしまおうという発想。上記シーンでは、実際に宇佐美が右に流れて行って起点になっています。

そこから、① 井手口クロス→② ニアに走り込んだアデが小野瀬に落とす→③ 後ろから相手が回り込んでくるも冷静にかわして左足でシュート!という場面でした。惜しくもシュートは相手に阻まれますが、ゴールできていれば狙った通りの形です。小野瀬は左足でも強烈なシュートが打てますので、ゴール前・ペナルティエリア内に入る形をどんどん増やしてほしいところです。

3.中央突破からのサイド攻撃、フィニッシュに詰める井手口

その後はガンバが保持し続ける展開。狙いは継続して相手WBとCBの間の裏のスペース。この時間は2FWのアデと宇佐美が積極的な動き出しをみせ、相手を押し込む時間を続けます。その流れから前半29:36、待望の追加点を奪取!

宇佐美・矢島のコンビネーションで中央突破を図ろうとするも、相手に止められ何とか掻き出したボールを、後方の遠藤が拾ったところから始まります。相手は中央突破を阻止するため、守備ブロックを中央に密集させていました。そのため左サイドの藤春がフリーに。遠藤は間髪入れず藤春へパス。そうなると松本の守備意識は左に向かう。その隙を狙って矢島がゴール前へ動き出す。そこへ藤春のピンポイントクロス。矢島のヘディングは惜しくもポストに阻まれるも、クロスが出る直前にゴールへ一直線に走り込んでいた井手口が押し込んでゴール!

相手を中央に密集させたところでサイドの幅を使い、ゴール前に人数をかけ押し切った良い形のゴールでした。井手口の走り出しの迷いの無さをみるに、ゴール前に詰める形は仕込んできています。倉田負傷後あたりから、井手口が積極的に前に出る形にトライし続けていましたが、それがようやく実を結びました。それにこれだけ押し込めていると、矢島がゴールを狙う余裕もありましたね。

その後も前半はガンバペース。宇佐美の全力プレスバックや小野瀬・井手口の位置交換を交えながら、相手を押し込んで立て続けにシュートを浴びせます。守→攻の切替からロングカウンターを発動し、ファーのクロスに走り込んだ井手口の惜しいシーンも。逆に、相手の2FWへの縦に早いパスに対しては「アンカー脇の迎撃システム」(と名付けました。アンカー脇への縦パスに対し、3CBが前に出て競り潰す守り方を指します。)で相手の容易な展開を許さず。

4.前線攻略のトリガー井手口、フィニッシュも井手口

前半の終わりには、ガンバ自陣でのボール保持から矢島→小野瀬へのサイドチェンジ1発で、敵陣左サイド深くに起点を作ることに成功。そこから3点目を獲得します。この得点シーンは宇佐美・井手口・アデのポジションを入れ替える動き方が素晴らしいです。画像3連で動きを解説!

矢印が多くて分かりにくくなってしまいましたが、それだけ複雑な動きをしていたということ。この一連の流れは、①自分たちが動くことで相手を動かし、②できたスペースにボールを入れる、の連続でゴールを奪ったシーンです。これまでどちらかというと「ボールを動かすことで相手を動かす」サッカーをやっていたガンバですが、このゴールシーンでは自分たちの積極的な動きからボールを動かす糸口を見つける、より能動的なプレーをみることができました。今節の得点中、一番褒めたいゴールです。そして井手口が前線で、これだけ複雑な動きをみせてくれたことがとても嬉しいです。きっとこのような動き出しを練習しているのだと思います。その成果が出た場面ですね。まだ23歳と若いですし、ここからオフェンシブな能力をさらに高めていけば、日本代表にも継続して選ばれ続けるでしょう。

得点後は相手のCKありつつも、危なげなくAT3分を過ごして前半終了。ここまで気持ちよく前半を終われたのはいつ以来でしょうか。こんな試合をもっと増やしてください!

5.後半ざっくり振り返り

3-0で折り返して迎える後半。これだけリードが広がると、プレーの強度や勢いは落ちていましたね。特に守備強度は前半ほどがっつり行っていなかったので、相手に押し込まれる時間が増えました。立て続けにシュートを撃ち込まれましたが、水際で体を張り出してのクリアや、東口のファインセーブで難を逃れていました。正直松本の選手の決定力の低さに助けられた面もあります。53:28に井手口から倉田に交代したことも、守備強度の低下につながったことは否めません。倉田がいくら運動量豊富とはいえ、井手口には敵いませんから。しかし、倉田は守→攻の切替時は効いていました。前にドリブルで持ち運び攻撃の起点になれる選手です。後半倉田投入でカウンターアタックの強度を高めるというのはアリなのかもと思ったり。でもやっぱり豊富な運動量を活かさないのは勿体ないですか。

前掛かりになると隙は生じるもの。57:34にカウンターから矢島のクロス→アデのカンフーキックで4点目!ここはアデの動きが秀逸でした。細かなステップワークで完全にマークを外していました。押し込まれてもカウンター1発で得点できる選手が揃っていることはガンバの強みです。選手の質は高いんですよね。やっぱり遅攻と速攻の使い分けができるようになると強いです。シーズン当初に掲げた目標が、終盤になってできてるようではダメなんですが…。来季は今の路線継続でいきましょう。積み上げを崩すことのないように。

63:46にアデ→千真に交代。ここの意図は明確ですね。「もうカウンターもいいよ。相手に押し込まれても千真ターゲットにしよ。そこ起点にできたら丁寧に攻めたらいいし。」ってとこですか。めちゃくちゃ有効というわけではなかったですが、一定その目的には寄与できていたと思います。65:38には、倉田がドリブルで持ち上がってカウンター→千真に預ける→相手の隙みたシュート!これは惜しくもポスト横に外れましたが、選手交代の意図が出た場面でした。

その後、71:19に松本はアンカー藤田に代えてMFパウリーニョと攻撃的なカードを切ってきます。それに伴い松本のフォーメーションを3-5-2から3-4-3(永井CF、町田・岩上シャドー)に変化。前の人数を増やしてプレスの強度を高めてきますが、奪いどころがいまひとつ定まっていないのか、ガンバは割と余裕を持って対応できていました。こういうところで慌てなくなったのも成長が感じられます。一方、ガンバは78:50に小野瀬→福田に交代。同時に松本はMF町田→FWイズマ、MF岩上→MF安東とさらに攻撃的なカードを投入。松本は最終的には3-5-2にまた戻しているように見えました。

82:02に福田クロス→藤春大空振り、90:20福田クロス→藤春触るも押し込めずと両WBによりチャンスを作ることはできていましが、今節もフィニッシャー藤春は成就せず。ここの精度が上がれば完璧ですが、来季もこのまま行くのでしょうか。それとも新しい選手を見出すか補強するか?楽しみなポジションではあります。あと福田に関しては、次の日のU-23の試合も観ましたが、調子はいまひとつのようですね。トップで活躍するには、J3で相手を圧倒できるようでなくてはなりません。

82:50には、宇佐美が相手GKとの衝突でピッチに仰向けに倒れ込むシーンも。倉田の件もあったので「またかよ…大丈夫かよ…」と心配しましたが、脳震盪のようで次節浦和戦も出場可能のよう。でも頭は怖いので無理はしてほしくないですね。次の試合に掛ける特別のものはないですし。

最後はおまけに失点しましたが、このシーンではゴール前が数的不利になっていました。矢島が守備に参加していませんし、もう1点くらいいいやろってな風にみえました。この時期だからいいですけど、シーズン半ばとかであれば気を付けてほしいところ。そのまま試合は終了のホイッスル。

 


とはいえ結果は4-1、今節は間違いなく快勝といっていいでしょう。はっきり言って力の差がありました。選手の質も違います。松本には悪いですが、勝負の世界なので仕方ありません。でも、どこかで間違えていればガンバも降格していたかもしれません。

ホーム最終戦セレモニー時のツネ監督の言葉にも、特に後半戦について「メンタルが足りていなかった。難しい試合でも勝ちきるメンタルを作って行きたい。メンタルを強くしていかないといけない」という言葉があったように、最後に勝ちきるメンタルが足りなかったシーズンだと思います。試合終了間際に失点して追い付かれ、多くの勝ち点を取りこぼしてきました。シーズンを通じていうと、前々節大分戦のように、先制するもひっくり返される試合が数多くありました。シーズン途中は、先制点が逆点される布石にしか思えなかった時期もあります。ここにきてやっと安心感を持てるようになりましたが。シーズン当初から勝ちきるメンタルを継続していってほしいところです。

シーズン振り返りはまた別記事にでもまとめようと思っていますので、ここらへんで。

あとは今のフォーメーションを継続していく中で、各ポジションに求められる役割や、各選手のポジション適性が気になってきました。これは現路線を継続していく前提に立つと、選手補強に大きく関わります。ちらほら移籍・補強・契約情報が出てきていますので、そこらへんの展望と合わせて考察記事を書こうと思っています。お楽しみに。

さて、今週末は遂に最終節、アウェイ浦和戦です。11-0で勝てば浦和降格POというトンデモ情報もありますが、まずは堅実に、これまでの積み重ねを披露すること、そしてまた一つ積み上げて行くことです。

「継続は力なり」。忘れずに最終節に臨みましょう!

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