大阪ダービー編続きます!
次は「ガンバの攻撃には何が必要だったか?」を考えます。
これはツイートしてた内容のとおりですが、改めて書き出します。
簡単にまとめると以上3つです。細かいこと書き出すと切りがないので要点を絞りました。ここらへんのことって、きっと試合を観戦していた方なら漠然と感じているんじゃないでしょうか。それこそがガンバに足りない部分であり、相手攻略の鍵です。気持ちを言葉にしてみます(そんなことおもてへんわ!って方がいたらすみません)。
「ガンバの攻撃、全然迫力ないな~遅いわ~」⇒POINT①
「なんか攻撃に変化ないな。ファン・ウィジョおったらもうちょいちゃうねんけどなー。」⇒POINT②
「ちんたらパス回してるだけやし、結局詰まってボール取られるだけやん!」⇒POINT③
ってな具合です。順番に解説していきます。
これはわかりやすいですよね。奪ったら素早くタテに仕掛ける!のがカウンターです。しかし最近のガンバ、前半からカウンターする気ありません。というかボールロストを恐れてセーフティ、セーフティに行ってます。結果迫力のない攻撃に映るわけです。そこらへんのネガティブな内容は後回しにして、先にポイント①のヒントとなるシーンを取り上げながら解説します!(※あくまでヒントです。ガンバが狙ったわけではないし、選手間の共通理解もありません。)
前回のスサエタ編でも触れたように、セレッソの守備陣は非常にコンパクトでした。これを攻略する手段の1つ目がカウンターです。正確にいうと、相手の「2ライン間(DFラインとMFラインの間のスペース)や相手サイドの選手が上がったスペースを素早く利用し、そのスペースが縮まる(あるいは埋まる)前に反撃すること」です。つまり、セレッソがコンパクトな守備陣形に戻る前に間延びしている部分を突きましょうってこと。間延び部分を極端に嫌ったこそ、あんなにもコンパクトな守備陣形を敷いたのです。相手の嫌がることをしないといけません。
・高尾右サイドでボールカット→井手口→スサエタに展開(前半34:03~)
GKキムジンヒョンから相手左SH柿谷にロングスローを入れて展開しようとした場面。当然相手は攻めに転じるため各選手上がってきます。しかし柿谷が収められず高尾がカット、素早く井手口→フリーのスサエタへボールが渡ります。このとき同じ位置に左SB丸橋も上がってきていました。ということはどうなるか?相手陣側に目を移しましょう。
有効なスペースが4つも生まれています。それぞれのスペースに対し、各選手は以下のように活用できます。
スペース1:相手左サイドが空けた、スサエタの前に広がる右サイドのスペース。ドリブルで持ち上がることが可能。
スペース2:2ライン間、CBとボランチに囲まれたスペース。千真はここでパスを受けられる。
スペース3:スペース2の裏のスペース。千真が加速すれば裏抜けを狙える。
スペース4:逆サイドの広いスペース。倉田が流れる、あるいは藤春が駆け上がることができる。
この場面、スサエタはすぐさまスペース2の千真へ鋭いパス、千真は後ろの井手口に落とす、井手口ミドルシュート!で終わるのですが、現地で観てた僕は頭を抱えました。なんてもったいない!可能性低い!と。今こうして振り返るとなおさらです。こんなにもスペースと選択肢があったのですから。さらに図解します。
例1:スペース1の活用
右サイドを駆け上がってきたスサエタに返し、そのままスペース1を活用する方法です。ここからクロスで千真、宇佐美、倉田に入れることができますし、井手口が上がってくればよりゴールに近い位置でシュートもできます。さっきのシーンでは実際にこのとおりスサエタは上がってきていたので、彼に出せればビッグチャンスでした。
例2:スペース3の活用(DFラインの裏抜け)
スサエタがスペース1をドリブルで持ち上がり、相手DFの裏であるスペース3を狙う動き。一番ゴールに直結できるパターンかと思います。ポイント②にも繋がる話ですが、こういう動きが全然なかったですね。DFにとっては一番嫌な動きなんですが。
例3:スペース4の活用(サイドチェンジ)
このパターンはチームとして共通理解がなければ実現しないパターンだと思いますし、素早い攻撃に繋げるのは難度が高いですがあえて書きます。逆サイドには広大なスペースがありましたが、倉田がここに入ってきても相手DFは守備ブロックの維持を優先し、詰めてくることはないので、余裕をもってサイドチェンジのボールを受けることができたはずです。中の狭いところに宇佐美と2人いるよりは、空いているスペースを各選手が活用できれば攻撃に広がりが生まれます。宇佐美が流れてもいいですし。またこのシーンでは藤春が上がってきてないんですよね。相手右SHの水沼が下がってきているのにも関わらず。そういう部分から、チームとしてカウンターアタックに繋げる意識が無いことが分かります。
僕は毎試合、宮本監督の試合前コメントに注目しています。何を目指しているのか端的にわかるし、実際試合内容に即しているからです。シーズン当初はよく「速攻と遅攻の使い分け」を口にしていました。簡単にいいかえると「速攻=カウンター」、「遅攻=ポゼッションサッカー」です(ちなみに僕はポゼッションサッカーという言葉が好きではありません。目的と手段をはき違えた和製英語のようだからです。が敢えてここでは使います)。
使い分けできてますか?残念ながらできていません。ここ数試合どころではなく、今シーズン調子が落ちてからずっとです。一昨日の大阪ダービーに限定していうと、やっとそれらしい形が見られたのが後半61:40です。それまで狙ってやってません。取り上げたシーンもたまたまボールカット、スペースがたくさん生まれ、連動すれば有効なカウンターを繰り出せる場面でしたが連動できていません。攻撃が選手任せとよく言われていますが、そのとおりです。監督の試合前コメントでも「ペナルティエリアでの質とか、アイデアとか、創造性が必要」って言ってますからね。本当はそれをデザインするのが監督・コーチの仕事だと思うのですが…。
迅速なブロック構築を図る相手だったからこそ、一瞬のスキを見逃さずカウンターを使い分けてほしかったと思います。自分たちのサッカーを確実に実行できる力が足りていないのは明白。試合中の修正力が無いとJ2降格が見えてきますよ…。







27節セレッソ対 #ガンバ大阪 のセットプレイ守備比較(共にゾーン)。
ガンバ守備場面はこの3秒後の9分58秒に失点(蹴られる結構前にも見えるが直前)。
壁6枚で幅が広く、壁が柵に。
壁1枚はゴール枠外で機能してない。セレッソは壁7枚全員ゴール枠内で幅が狭く硬い。
監督の指導力・準備力の差が歴然 pic.twitter.com/8QQBp65YeB
— 井上敬介@ブロックチェーンサッカーゲーム開発中 (@inoue0617) September 28, 2019
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