勝ちました!!
これで勝ち点は38、順位は9位に上昇。降格PO圏の16位湘南との勝ち点差は7に広がりました。残留争いから1歩抜け出した感はありますね。とはいえ、まだまだ油断はできませんので、次節以降もしっかり戦っていきましょう。
今回のトップ画像はメイプル@maple_smile1523さんから拝借しています。メイプルさんありがとうございます!このワチャワチャ感が良いですよね。
宇佐美くんと井手口くんも良いけど、手前のヨンヨンのガッツポーズもみんなが駆け寄ってくる感じも良い😚ヨキヨキ pic.twitter.com/3Y81lZ0mvE
— メイプル🍁 (@maple_smile1523) November 3, 2019
まずはスタメンの確認。予想通り湘南は3-4-3で来ました。それに対し、ガンバのフォーメーションは変わらず3-5-2でしたが、選手起用には変化がありました。
ガンバは高尾に代えて菅沼を起用。アンカーには遠藤が入り、矢島が一列上げて左IHに入りました。2FWは故障から復帰のアデ・宇佐美です。左WBは藤春でした。福田がメンバー外なのは残念です。
一方、湘南もメンバーを変えてきました。特徴的なのはワントップの指宿です。第17節の途中出場以来出番がありませんでしたが、ここにきての抜擢です。身長196cmの長身を生かして、ロングボールの収めどころにしようという意図が読み取れます。あとはガンバがセットプレー弱いこともリサーチされてるんでしょうね。クロスのターゲットにもなってました。
今回の記事はタイトルどおり、「なぜこのような選手起用になったのか?その意図を読み解こう」という試みです。特に、FWの2人の選び方について考えてみたいと思います。なぜかというと、一番枚数が揃っている上に、それぞれ個性が異なり、選ぶのが難しいからです。さらには前節、FW起用された小野瀬が素晴らしい働きをみせていたので、なんで小野瀬じゃないんだという意見もあると思いますので。
最初に結論から述べておきます。ぶっちゃけ
攻撃の期待値 > 守備の貢献
が理由です。守備より攻撃を優先したということ。これに尽きると思います。「なぜその結論に至るのか、そこを深く掘り下げて考えてみよう」というテーマ設定です。今回は、今までのようなフォーメーションの図解は行いません。表は出てきますが文字主体です。多分、サッカーについて難しく考えていない方でも、頭に入りやすい・議論しやすい内容だと思いますので、ぜひみなさんも一緒に考えてみてください。僕に賛同する必要はありません。違う見方はいくらでもあると思いますので、それぞれの考え方が整理されるきっかけになれば、これ以上ない幸せです。
それでは、まずは試合の振り返りから入っていきます。ポジティブな点(○)とネガティブな点(×)を挙げてみます。
○:宇佐美の鋭さが帰ってきた!4年ぶりとなる1試合2ゴールの活躍!
○:遠藤アンカーの安定感。サッカーIQの高さと絶妙のテンポコントロール。
○:矢島IHのイキイキしたプレーぶり。相手のプレスをかわして前に持ち運び、そのままフィニッシュに絡む動き。
○:ヨングォンのプレスかわす持ち運び。ビルドアップの局面で効きまくり。
○:井手口のダイナミズム。積極的な裏への斜めに走る動き出し。倉田欠如を意識?
○:3CBの右に菅沼をスタメン起用。相手ワントップの指宿への放り込みに対し、守備の安定に一定は寄与(競り負けていることもありましたが)。
×:2FWの守備意識。プレスに行く場面はいくつか見られたものの、もっとパスコースを限定する動きを求めたい。
×:裏への抜け出しの少なさ(特に前半)。井手口は積極的に行っていたが…。出し手となる遠藤・矢島が居たので、もっと裏を狙ってよかった。そこで生じるギャップのスペースも活用したい。
×:押し込まれたときの、苦し紛れのロングボール放り込み。拾われて相手ペースが続く時間帯を作られる(特に前半)。
こうやって良い面・悪い面両方をピックアップすることで、今回の試合がどのような内容だったか整理されますね。あとは選手の特性も端的に読み取れます。ネガティブな点の方が少ないですが、これはガンバが良かったというよりは、湘南がイマイチだった側面の方が強いかと思います。選手個々のクオリティの問題もありますが、内部のゴタゴタから再起を図ろうという最中であり、やり方も変えていっている途上の段階という印象を受けました。湘南は残留が厳しいですね…。と相手の心配してられる状況ではまだまだありませんが。
それでは本題です。まずはこちらをご覧ください。ガンバが現状起用でき得るFWと、その特性を整理してみました。
選手 | FWとしてのタイプ・特徴 | 守備の貢献度 |
---|---|---|
宇佐美 | ボックス内から精度の高く速いシュートでゴールを奪う。ビルドアップ・敵陣内でのパス交換にも積極的に関与できる技術の高さを持ち合わせる。スピードは無いが、ドリブルの技術は高い。 | 低:守備意識は低いが、たまにプレスにいくことも。 |
アデ | 足元の技術の高さはピカイチ。シュート精度は難ありだが、たまに難しいゴールを決める。一瞬のひらめき・創造性を持っており、周りとの連携が噛み合えば最高の働きをみせるが、周囲の理解が低いと独り善がりになる恐れも。スピードが速く、縦への推進力に優れる。 | 低:守備意識は低い。気分で守備をしている感じがする。 |
パト | 典型的なオフザボールで勝負するタイプのFW。身体能力を生かした強烈なヘディング、スピードを生かした裏への抜け出しが魅力。ロングボールやこぼれ球にも競り勝てるので一定の基準点になれる。 | 低:守備意識は低いが、ハイボールでの競り合いで守備面の貢献あり。 |
渡邉 | ボールを収める技術に優れる。カウンターの起点、クリアボールの収めどころになれる。スピードは無いが、シュート技術が高く、ヘディングも上手い。FWとしては一番バランスが取れているかも? | 高:献身的に前からプレスに行く。苦し紛れのクリアボールでも収めてくれるので守備陣としては助かる。 |
スサエタ | 未知数な部分が多いが、器用さでは一番。スペースへの抜け出し、味方へのスペース供給ができる。視野が広く、ボールを扱う技術が高い。純粋なFWではなく、セカンドトップ以下のポジションに適性。いまだチームでは役割が定まっていないのが勿体ない。 | 中:カバー範囲が広く、積極的に守備にも動いてくれる。守備力自体は高くない。 |
小野瀬 | 新たな可能性。スペースを見つける能力に秀で、攻守ともに運動量で貢献できる。前のポジションならどこでも適用できる(と思わせる)器用さ、賢さが魅力。スピードがあり、一対一を制する足元の巧さもある。FWとしてのフィジカルの強さはない。 | 高:豊富な運動量で前からプレスに行く。WBを担ったことで、守備力にも改善がみられる。 |
※現フォーメーション下で2FWとして起用が想定される選手のみ取り上げています。また、過去のプレースタイルは参考にしていません。あくまで今シーズンの出来栄えから判断しています。
完全に主観で判断しています。この選手はもっとこうだろという意見があればどしどしお寄せください。むしろそういう議論になればいいと思っています。
みなさんなら上記の6人から誰を選ぶでしょうか?僕なら私なら…というのは一旦置いておきましょう。なぜなら、今回のテーマは「vs湘南で、なぜこの選手起用に至ったか」だからです。それにはまず、相手のプレーを想定するところから始めなければなりません。そして、その上でガンバは何をしたかったのか、どう攻略しようと考えていたのか、そして選手に期待するものは何だったのか。ここらへんの内容は試合を観戦した方、そしてここまで読み進めていただいた方なら、大まかな内容は把握できているはず。双方のチームが何を志向していたのか、試合から受けた印象(前節までの試合も含む)を簡単にまとめてみます。
湘南の想定プレー志向 | 対応するガンバの想定プレー志向 | |
---|---|---|
① | ロングボールで縦に早く展開したい! | 3CBの強度ではね返そう。どうせ蹴ってくるから、それほど前からのプレスは必要ないでしょ。 |
② | 前からのプレスでボール奪うぞ! | 後ろで相手をかわして空いたスペースに人とボールを持ち運ぼう。 |
③ | 守備時は人数かけて、前にパス入ってもつぶすぞ! | プレスに来られてもパスワークで翻弄だ。 |
コメント